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東京五輪へたばこ規制進まず「根性ない」松沢議員

2020年東京五輪・パラリンピックへ向け、煙のマナーに厳しい目が向けられている。最近の五輪開催都市は罰則付きの法整備を行ってきたが、東京都は今年5月に都議会自民党の反対などもあり条例制定を見送った。国会議員で形成する「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟」は国の法整備に向け動いている。進まない日本のたばこ規制。民間と政治それぞれで受動喫煙を防ごうと奮闘する人たちを追った。

 日本の多くの居酒屋の座席には灰皿が初めから用意され、喫煙者は当たり前のように煙を吹き出す。子ども連れの客がいるレストランでも、気にせず煙が漂っているのが日本の現状だ。

 多くの飲食店が「売り上げが落ちる」と、禁煙に踏み切らないが、「そんなことはない」と話すのが神奈川県を中心に9店舗を展開するハンバーグ店「ハングリータイガー」の中田有紀子取締役(75)。「たばこが吸えないとお客様が来ないと言う店は、よほど自分の商品に自信がないのでしょう」と話す。

 同店が全面禁煙を始めたのは99年夏ごろ。「たばこ=売り上げ」が当時の常識だったため、営業部は大反対した。最後は井上修一社長の一声で決まった。

 禁煙直後は常連だった喫煙客が離れたが、全面禁煙を知った赤ちゃん連れの女性客が徐々に増えたという。経営的にもプラス面が多いと受け止めている。灰皿を取り換える手間が省け、たばこのゴミを分別する必要もない。長居する喫煙者も減って稼働率が上がった。結果的に売り上げアップにもつながったという。

 同社が全面禁煙に踏み切った最大の理由は従業員の健康。高校1年からアルバイトができ、大学卒業まで働く人も。中田氏は「多少売り上げが落ちても若い子の健康を守ることが大事だった」と振り返る。

 昨今増えている「分煙」もまやかしだという。「壁や扉で仕切っても煙は行き来する。従業員は喫煙側に食事を運ぶため煙を吸ってしまう。全く意味がない」。「ハングリータイガー」では、喫煙者には店外の喫煙所を用意している。

 中田氏は「社員もアルバイトも『会社の道具』という考えは信じられない。彼らの健康を守るというように、時代の考え方が変わらないと」と訴える。「禁煙率が増えれば医療負担も減り、税負担も減る。みんな目先の利益ではなく、大義を見てほしい」と受動喫煙防止策の徹底に期待した。

 「抵抗があるのは当たり前。根性ないよ」。神奈川県知事時代の10年、全国の自治体として初めて罰則付きの受動喫煙防止条例を施行した松沢成文参院議員(57)は、条例制定を一時断念した東京都の舛添要一知事にチクリと言った。

 舛添氏は今年に入って記者会見で、五輪会場が首都圏へ分散となったため都だけで規制しても意味がないとし、国に法整備を求めた。しかし、昨年10月の時点で条例制定に意欲的だったのは舛添氏で、都議会や関係団体の反対もあり、消極姿勢に。松沢氏は「しがらみだらけでは、何もできない」と話した。

 国際オリンピック委員会と世界保健機関が共同で開催都市のたばこ対策を呼びかけている。「両団体は都市にやれと言っている。でも都でやるのが難しいから国でやらなければ」。

 松沢氏はサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)に耳を傾けるべきだと主張。「神奈川では条例賛成が約75%もいた」。声なき声を吸い上げるためタウンミーティングを何度も行った。

 調査を進める上で東京の特殊性が見えてきた。繁華街が多く点在し、雑居ビルで無数の店が営業している。「諸外国は路上で吸ってもいいから店内を完全禁煙にするけど、東京は路上喫煙を禁じている区もある。かと言って『屋上に行って』としたら、エレベーターが混んでしょうがない」と悩ましい。「妥協策だが喫煙所をトイレと同じように完全に隔離するのが良いのでは」と、まずは完全分煙から始めるべきだという。

 「諸外国は条例があるから、たばこを吸わない人の方が権利が強い。でも日本は常に灰皿があり2割しかいない喫煙者の声が大きい。居酒屋で上司が吸ってたら何も言えないでしょ。だから法の裏付けが必要なんです」。日本の悩める非喫煙者の心を代弁した。【取材・三須一紀】

 ◆五輪開催都市とたばこ規制 IOCは1988年に禁煙方針を採択し、冬季カルガリー大会以降、たばこ産業の協賛を拒否し、会場内外が禁煙化された。2010年7月にはWHOと「たばこのないオリンピックを目指す合意文書」に調印した。以来、五輪施設だけでなく、レストラン等を含む屋内施設が全面禁煙の国や都市で行われることが慣例となっている。04年アテネ五輪以降、冬季大会も含め全ての開催都市で禁煙を義務づける罰則付きの法律や条例が制定された。


元記事はこちら


未成年のアルバイトの受動喫煙に配慮して店内全面禁煙にしたこのハンバーグ店の取締役の考えは素晴らしいですね。
日本はWHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)をことごとく無視。命より金が優先される国=日本。タバコによる健康被害から国民を守る政策は「厚生労働省」が担当し、タバコを売って税収を確保する政策は「財務省」が担当している。この国は片方の手でタバコを売り、もう片方の手でタバコの規制をしようとしているという、他の国ではあり得ない構造になっている。
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by rrmat288 | 2015-08-04 06:42 | タバコ問題 | Comments(0)