たばこが精神病リスクを高める。毎日吸うと発症が1年早く。。。
2015年 07月 27日
たばこを吸うことによって精神病の発症リスクが高まると分かった。
英ロンドン大学のジェイムス・マッケーブ氏らの研究グループが、有力医学誌の精神分野版であるランセット・サイカイアトリー誌において2015年7月10日に報告している。
たばこは結果?原因にも?
精神病を患っている人は、健康なコントロールと比べて、たばこを吸う人が3倍多い。たばこを吸うことと精神病、特に統合失調症との関連性は以前から認められているが、たばこ自体が精神病のリスクを高める可能性はあまり注目されてこなかった。
過去には、精神病を患っている人にたばこを吸う人が多いことについて、さまざまな検証が行われてきた。けん怠感や悩みからの解放、自己治療といった理由が挙げられてきたが、もしそうであれば、たばこを吸う率は精神病の発症後にのみ増えているはずだと研究グループは考えた。
そこで、たばこを吸う人1万5千人、吸わない人27万3千人を対象とした61件の観察研究のメタ分析を行った。
「もともと喫煙」多い
精神病を最初に発症したときにたばこを吸っている率を分析したところ、57%はそれ以前からたばこを吸っていた。
精神病を最初に発症した人は、発症していない人と比べて、たばこを吸っている人が3倍多かった。また、毎日たばこを吸う人は、吸わない人と比べて、精神病の発症がおよそ1年分早いことも明らかになった。
ドーパミン過剰が関連か
研究グループは、脳内麻薬と呼ばれる「ドーパミン」の働きが、たばこを吸うことと精神病との因果関係に関連しているかもしれないと見る。
ドーパミン過剰は統合失調症のような精神病の生物学的原因である可能性が高い。ニコチンにさらされることは、ドーパミンの分泌を高め、精神病の発症につながる可能性があるという。
「たばこを吸うことについて、単に病気の結果として見過ごすことはせず、精神病を発症させる危険因子として深刻に考える必要がある」と研究者は指摘している。
かねて社会的に禁煙機運が高まる中で、喫煙にはさらなる逆風の結果となるのだろう。
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タバコは身体はもちろん、心(精神)まで病むのは明白。